紗季は、無邪気な少女の顔をして眠っている

一博も隣で眠っていた。


二人は、砂浜でお城を作ったり

追いかけっこをしたり

貝殻集めをしたりして

目一杯、海を満喫して


一博の家まで帰ろうとしたのだが

あまりにも、車を運転中にうとうととしてしまうので

一博は、安全のために、仕方が無く

近くのホテルにチェックインをした。


あいにく、ダブルの部屋しか空いていなかった

「別に・・・その方が・・・いいじゃない・・・」

の紗季の一言で、部屋に入り

ちょっと、休もうと言う事で、ベットに横になったとたん

二人とも、そのまま眠ってしまった。


なぜだか、海での運動は、普通以上に、思った以上に疲れるものだ。

紗季と一博も例外では、なかった。


二人は、本当に良く眠っている。

夏の長い太陽も、もう夕陽になりかけているのに

まだ、眠っていた。

適度に冷房が効いた部屋で。


夕陽が二人を照らしはじめた頃、一博がゆっくりと目を開けた。

腕時計を見ようと左手を動かそうとするが

左手だけじゃなく、身体全体が重くて動きづらかった。


となりでは、天使の寝顔の紗季が無邪気に眠っている。

重い身体をなんとか起こして、バスルームへ向かった。


少しでも早く、この潮臭さを取りたかったのである。

服を脱いで、バスルームへ入り、湯船にお湯をためるのも

もどかしく、シャワーを浴びた。


一博がシャンプーをして、頭からシャワーをかけている時に

突然、バスルームのドアが、ガシャ!っと勢い良く開いた。


一博は、予期せぬ物音に心臓が止まりそうになったが

振り向いた時に、もっと完全に心臓が止まるかと思った。

なんと、そこに、紗季が美しくも眩しい、素っ裸で立っていたのである。