紗季の心も不思議なもので

あんなに、評価を低くしていた男と言うものが

たった一人の男の評価で、ガラリと変わってしまっていた・・・。


「男と言っても・・・いろいろな人が・・・いるのね・・・」

紗季の心の中の素直な思いであった・・・。


でも、それだけに、どう対応して良いのか分からずにいた・・・。

今迄、出会ってきた男達なら・・・

いくらでも対応のしようがあったが・・・

一博みたいな男は、全く初めてで

どう対応して良いか、分からずにいた・・・。


一博は、さっきから、紗季の熱い視線に戸惑っていた。

いくらもう、おっさんと言われても可笑しくない歳であっても

これだけ、若くて可愛くて魅力的な女の子に

燃えてしまうのでは?と心配していまう位の熱い熱い視線を

受け続けていたら、恋愛経験の少ない一博の頭は

パニックに陥っていた。


「彼女をどう扱えば良いのか?」

「これからどこへ行けば良いのか?」

「あの熱いキスは、どう受け取れば良いのか?」

一博は一博で、紗季みたいな女性は全く初めてで

どう対応して良いか、分からずにいた。


そんな、対応を分からない二人の様々な思いを乗せて

車は、ただただ、路を走り続けていた。